U-NEXTで配信されていたゾンビ映画『サンズ・オブ・ザ・デッド』(原題:It Stains the Sands Red)のネタバレ感想レビューブログです。”遅い” ”ジワジワ迫る” ゾンビが好きな人にはたまらないんじゃないでしょうか。お下品な女が主人公というのもまた面白かったです。
ゾンビと砂漠で二人きり!

ゾンビによって終末を迎えた世界。それが『サンズ・オブ・ザ・デッド』の設定です。ゾンビ物にはよくある設定ですよね。
しかし、この『サンズ・オブ・ザ・デッド』は名前の通り砂漠(SANDS 英語だとDesertじゃないの?)が舞台。
街から飛行場に逃げる途中、砂にタイヤが埋まって身動きが取れなくなり、そこに一人のゾンビが歩いてきます。後に命名されますが、”粗チ〇野郎(small di〇k)”の「スモール君」です。
彼氏ニックはスモール君の餌食となり、モリーはゾンビ・スモール君に追われながら50kmの砂漠を歩いて越えることに・・・
疲れを知らず、ず~~っと歩いて着いてくるゾンビ。止まったら食われる。
ジワジワ歩いて迫って来るゾンビという題材をうま~く生かした(死体だけどね笑)作品と言えるでしょう。
ゾンビの大群?出ません!
メインで登場するゾンビは少ないです。作品中の多くの時間を、”スモール”と名付けたゾンビと二人きりで歩きます。
可憐なヒロイン?出ません!
ネーミングセンスからもわかるように主人公モリー(ブリタニー・アレン)は、おクスリ大好き・鼻ピアス・ストリッパーのヒョウ柄派手派手ビ〇チ系女子です。
ガンアクション・特殊部隊?出ません!
ゾンビとのバトルが見たい方におすすめできる作品ではありません。
でもね、登場人物が少ないので感情移入がしやすいんです。そこに上手くモリーの”過去”を盛り込んでいるのでドラマ的な側面も楽しめます。
走ってくるゾンビは嫌!
やっぱりゾンビは遅くなきゃ!
ゾンビに愛着がある!
という方にはとってもおすすめできる作品です。
B級かなと思いきや、なかなか楽しめて感動もできるゾンビ映画でしたよ!きっと、ゾンビがもっと好きになると思います!
後半にかけてジワジワと魅力が増してくる登場人物たち
いかつい彼氏と罵り合いのケンカ。下品な言葉遣い。お薬大好き。
間違ってもお近づきになりたくないタイプの女性ですが、ゾンビ・スモール君に追われるうちに過去のフラッシュバックなどもあり、その身の上などから段々と応援したくなってきます。
まぁ。終始下品ではありますけどね。ゾンビを遠ざける為に生理用品をエサに投げつけるなど、とんでもない行動には思わず笑ってしまいました(笑)
ゾンビ君も”血の臭い”につられてどこまでも追って来るというわけです。
”笑えるゾンビ映画”というジャンルもたくさんありますが、完全なコメディではなく”笑いあり”という所でしょうか。
”二人きり”というシチュエーション
50キロの道のりをゾンビと二人きり。”二人きり”だからこそですが、ゾンビに話しかけたり、からかったり、罵ったり。
一方的ではありますが”ゾンビとのコミュニケーション”を取るんですよね。これがまた良かった。その中で”粗チ〇野郎”スモール という名前を付けるわけです。
”追われている”というプレッシャー。
誰かに”話しかける行為”。
これがあったからこそ、モリーは冷静さを失わずに一人で砂漠を超えられたのではないでしょうか。
次々と襲い来る脅威
砂漠を歩く内に水や食料も無くなり、さらには砂嵐にまで襲われてしまいます。
砂嵐が止むと、通りがかった車に助けられるのですが・・・なんとその車に乗っていたのは脱獄囚。
男たちに襲われてしまいます。
間一髪で間に合いませんでしたが、ピンチを救ってくれたのはスモール君ではないですか!!
砂の中からゾンビのように(あ、ゾンビか)現れるスモール君に思わず「おおお!」と称賛を送ってしまいました(笑)
命の恩人、スモール君に段々愛着がわいてくるのは必然。
くじけそうになって泣き崩れてしまうモリーですが、スモール君は追ってきます。
歩いてくるスモール君を見て、モリーは再び歩き出すのです。
モリー
いいわ。歩くわよ。
もちろんゾンビにそんなつもりはありませんが、前を見て歩く力をくれたのもまた事実なのです。
モリーの過去。通じ合った(?)二人
子供・チェイスを預けた過去をスモールに話します。
姉に子供を預けた過去。
飛行場まで残り4キロ。スモール君を岩につないで去ろうとしますが、スモールは叫び続けます。
その姿を、姉に預けたチェイスに重ねたのでしょうか。一緒に連れて行くことにします。
スモール!!ステイ!!・・・動かない!
なんと、意思の疎通を!?
ゾンビだって元人間。真摯に向き合えば心だって通じるんだ!!!
そんな馬鹿な!!とは思いますが、ここまでの二人のやりとりをみてると「あ、そういうこともあるかもね」なんて納得させられてしまうんですよね。
通りがかった軍人にスモールは足を撃たれてしまいます。
助けようとするも、条件反射的に指を噛まれるモリー。なんと、石で噛まれた指を叩き潰してもぎ取ります。
さらに、自分を噛んだスモールを運んで連れて行こうとするモリー。しかし、モリーにも限界が近づいていたようです。
放っておくことはできない。モリーはスモールに止めをさす道を選びました。
スモール君。お疲れ様。
遂にたどり着いた飛行場。ヤク中の仲間たちはまだ飛び立ってはおらず、一緒に飛行機で逃げるのかと思いきや・・・
モリーは残った。思うのは息子チェイスの事。
一度は投げ出し、育児を放棄した子供を助けに行くことを決意したのです。
飛行場から電話を掛けると、チェイスは隠れていた。無事だったのです。
糞だった過去との決別。
街にチェイスを助けに行くのです。子供は無事なのか?無事だったとして、その先どうやって助かるつもりなのか。
たぶんモリーは先の事なんか考えていない。糞みたいな過去から脱却して、子供を助けに行く。もう捨てない。逃げ出さない。そう決めたのでしょう。
僕的には、息子を助けに行くシーンでもう胸いっぱいになってしまいましたよ。とにかくよかった。飛行場から車に乗り、来た道を戻るわけです。
その途中で、次のようなシーンが差し込まれます・・・
こちらを振り向くゾンビ・スモール君。
命の危機を幾度となく救い、前を向く勇気をくれた人。
ゾンビと化した彼氏ニック。
きっと、自分の糞みたいな過去を象徴しているのでしょう。
”過去”を振り切る瞬間です。赤ん坊を抱く自分の姿を思い出しながら、笑顔で壊滅した街に向かうモリー・・・
チェイスがどうなったか。それはご自分の眼で確かめて欲しいです。(僕的にはここで終わっちゃっても全然よかったよ。)
サンズ・オブ・ザ・デッド まとめ
終末を迎えた世界でゾンビと闘うのではなく、ゾンビに前を向く力をもらう映画なんてこれまで無かったと思います!!
モリーのお下劣っぷりも最後には愛おしくなっちゃって。ハラハラしながら応援してる自分が居ました。そしてゾンビ・スモール君。彼の存在がまた良かったです。
ピンチに陥っても、またスモール君が助けに来てくれるんじゃないか?そんな希望さえ抱いてしまうくらいの存在感を放っていました。
笑いあり、涙あり。ハラハラドキドキあり。なかなかないゾンビ映画では無いでしょうか。
【キャスト】
ブリタニー・アレン
フアン・リーディンガー
クリストファー・ヒギンズ
【スタッフ】
監督:コリン・ミニハン
脚本:スチュアート・オルティス、コリン・ミニハン
製作:ブランドン・クリステンセン、ビック・トラン

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